国枝・三村研について

 1基のロケットを宇宙空間に打ち上げるために必要な加工技術と、自動車を1台百万円で大量生産するための加工技術と、どちらが先進的かと問われれば、どちらも同様に最先端であると答えるのが正解です。また将来、仮に自動車や半導体に取って代わる何かが創出されたとしても、それらを実現するための加工技術の必要性はなくなりません。
 しかも、現在の技術では加工困難な精度や寸法で、より削りにくい材料を加工する必要性が次々と生じてくるでしょう。一方、新しい加工技術が創造的な製品の誕生につながる場合もあります。このように、加工技術は材料や機能やデザインと一緒に絶え間なく高度化されるべき宿命を負った基盤技術です。
 私たちの研究室も、加工に潜む物理現象の理解を通して革新的な加工技術を開発し、新しい価値が創出されることによって社会に貢献することを使命としています。

国枝正典