気中放電加工による3次元形状創成加工

★気中放電加工とは?
 
 大気中で放電加工を行う加工法です.

★加工原理
 気中放電加工とはパイプ電極を用いて,従来の液中加工で加工液が果たす加工屑排出及び極間冷却の役割を,パイプ電極内部から供給される高 速気体流に果たさせることにより,大気中での放電加工を可能にしたものです.図1に加工原理,図2に実際の気中放電加工を示します.


Fig.1 Processing principle
Fig.2 Actual Dry-EDM


★気中放電加工の特徴
1) 工具電極消耗がパルス条件によらず少ない
2)加工中の加工反力が液中加工に比べて2桁以上少ない
3)供給する気体を用途に応じて変えることができる
4)溶融再凝固層が薄いため,残留応力が小さくマイクロクッラク
  などの欠陥が少ない
5)加工ギャップが狭い
6)気体流があれば真空中でも加工が行える
7)加工槽や加工液タンク,加工液循環装置が不要なため放電加
  工機をコンパクトにできる


★3次元形状創成加工
 供給気体に酸素ガスを用い鋼工作物との酸化反応を利用して加工
速度の向上を図っています.これにより,加工速度の飛躍的な向上が
実現しました.更に,超音波や圧電テーブルを用い加工速度を向上さ
せるための実験を行っています.今後,気中放電加工による3次元形
状創成の高速化を行い,最終的に気中放電加工機の実用化を目指し
ています.


Fig.3 Processing sample